痛風クリアランス検査
尿酸について|検査結果について|高尿酸血症の型分類|尿酸クリアランス検査(PDF)
検査結果について
検査結果は下のような表とグラフを用いて示されます。
左側の表には病態分類をするために必要な検査値を表示しています。
①尿中クレアチニン値 ◆正常値 0.7~1.8g/日
②血清クレアチニン値 ◆正常値 0.65~1.09mg/dl
③尿中尿酸値 ◆正常値 0.4~1.0g/日
④血清尿酸値 ◆正常値 3.0~7.0mg/dl
⑤尿酸産生量
尿酸は上記のとおりで肝臓等で1日に500~800mg合成されていますが、先天的な酵素異常やプリン体の大量摂取により尿酸の合成が増加します。尿中に排泄された尿酸量を測定し、時間と体重で除すると、1時間あたりに産生された尿酸量が求められ、尿酸の合成が亢進しているか否かを判断できます。
◆正常値 0.483~0.509mg/kg/時
0.51mg/kg/時以上で産生過剰
⑥尿酸クリアランス
クリアランスとは、特定の物質が血管から浄化される効率を示す言葉です。
血液中の尿酸は、1/3が腸管で吸収され便とともに排泄され、2/3が腎臓から排泄されます。腎臓では糸球体で100%濾過されるものの、ほとんどが尿細管で再吸収され一部が尿中に排泄されます。
つまり、尿酸クリアランスとは、血中の尿酸が尿中にどれだけ排泄されているかを示しています。尿酸クリアランスは、尿酸が腎臓より排泄される速度と尿酸の血中濃度の比で表されます。
◆正常値 6.2~12.8ml/分
6.1ml/分以下で排泄低下
⑦クレアチニンクリアランス
クレアチニンは、筋肉の収縮エネルギー源となる物質の原料であるクレアチンの終末代謝産物です。クレアチニンは腎糸球体で濾過され再吸収されずにそのまま尿として排泄されます。したがって、腎糸球体の濾過機能が低下している場合や尿の排泄障害が起きている場合には、クレアチニンは排泄されず血中に停滞し血中濃度が上昇するので、腎機能低下の指標に利用されます。
高尿酸血症におけるクレアチニンクリアランスの役割は、腎機能が保たれているか否かの判断に用いられ、また、尿酸降下薬の選択の際にも考慮されます。
◆正常値 83~146ml/分
70ml/分以下で腎機能軽度低下
50ml/分以下で腎機能高度低下~中等度慢性腎臓病
29ml/分以下を高度慢性腎臓病
⑧尿酸/クレアチニンクリアランス比
上記⑥尿酸クリアランスに対する⑦クレアチニンクリアランスの比率により、尿酸が合成過剰なのか排泄低下なのかの確認や鑑別ができます。
◆正常値 5.5~11.1%
5%以下で排泄低下 12%以上で産生過剰
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