痛風・高尿酸血症のあらまし
①初回受診時
(1)診察
今までの病気の様子(痛風以外の病気についても)や、ご家族の中の痛風や糖尿病などの病気の有無をお伺いします。診察では、血圧測定や聴診などのほか、関節の腫れや痛みの有無、変形、痛風結節(耳たぶや肘の外側にこぶのような尿酸の塊を認めることがあります。)の有無を診察いたします。
(2)レントゲン検査
今までに関節が痛くなった場所や現在痛い場所のレントゲン撮影を致します。比較のため、反対側の関節も撮影します。
(3)採血採尿
血液中の尿酸値を測定するほか、関係するほかの病気の有無を調べるために行います。肝機能、腎機能、炎症反応、高脂血症、糖尿病、リウマチなどについても調べます。
(4)その他
診察の時の状況により、胸部や腹部のレントゲン検査や心電図検査、超音波検査などを行うこともあります。
(5)治療
現在痛風発作をおこしている方には、充分な鎮痛剤の服用をしていただきます。当院における一般的な処方例としては、
ボルタレン錠(非ステロイド系鎮痛剤)2錠 またはナイキサン1カプセル(非ステロイド系鎮痛剤)とマーズレンS(胃薬)1包 またはセルベックス(胃薬)1カプセルを1回分として朝夕食後に症状が消失するまで飲んでいただいております。痛みの強い時は、1日3回までの服用が可能です。 鎮痛剤の服用は、4時間以上間隔を開けるようにして下さい。
現在症状のない高尿酸血症の方には、特に薬はお出ししません。
現在ほかの病院、診療所から尿酸コントロールのための薬の投与を受けている方は、原則として休薬していただいております。どうしてもご心配な方は、担当医にご相談ください。
(6)検査予約について
尿酸クリアランス検査を予約いたします。痛風発作をおこしている方は、発作が落ち着いてからがよいと思います。また、尿酸コントロールの薬を他院から投与させれている方は最低1週間の休薬後検査を行う必要があります。検査時間は2時間程度で、尿を1時間貯めていただくのと、採血を1回行います。食事の関係がありますので、午前中であればいつでも結構です。出来るだけご都合にあわせて、日時を決めさせていただきます。
(7)次回受診
3日ほどで結果がわかります。次回受診日をご予約下さい。
初診時にクリアランス検査をご希望の方
痛風発作を起こしていない方で尿酸降下薬の服用もしていなければ初診時にクリアランス検査を実施することも出来ます。
電話(03-5638-6073)かメールにてお申し込み下さい。
②尿酸クリアランス検査
血液中の尿酸値が高くなる原因は、尿中への尿酸排泄が低下する尿酸排泄障害型と体の中での尿酸産生が亢進している尿酸産生過剰型およびその混合型があります。最初にこの診断を行うことで、今後の治療方針が明確になります。検査自体は、特に難しいものではなく、大きな苦痛もありません。約2時間で終了いたします。
- 検査前日は、午後9時くらいまでには夕食を済ませて下さい。
夕食の内容の制限はありませんが、内臓類や海老などのプリン体を多く含む食品は控えてやや軽めの内容としてください。その後全く食べてはいけないということはありませんが、深夜の食事はなるべくお避けください。アルコールは飲まないようにしてください。水分は普通にとってかまいません。 - 当日は、朝食はとらずに受診してください。
水分は、水かお茶程度でしたら 普通にお飲みになって結構です。ただし、牛乳やジュース、清涼飲料水などはお飲みにならないでください。 - 外来にお越しになったら、まず水を500cc飲んでいただきます。
その後、排尿していただきますが、このときの尿は全部捨ててしまって結構です。排尿時間は正確に看護婦にお知らせください。ここから、正確に1時間分の尿を貯めていただきます。最初の排尿後、30分で採血をいたします。1時間後の排尿を全量取っていただいて検査は終了です。 - 検査結果が出るまで、3日間ほどかかりますので、次回の受診日をお決めになってお帰りください。
服用中のお薬について
ベンズブロマロン(ユリノームなど)、アロプリノール(ザイロリック、アロシトールなど)、フェブキソスタット(フェブリク)などの尿酸降下薬は、クリアランス検査の1週間以上前から服用を中止してください。
その他、一部の降圧薬や高脂血症治療薬などで尿酸値に影響をおよぼす薬剤がありますので、内服治療をお受けに方は、看護師までお問い合わせください。
その他、クリアランス検査につきましてご不明な点がありましたら、看護師までお問い合わせください。
③検査後外来をお受けになる時
最初の受診時の検査、尿酸クリアランス検査の結果をご説明いたします。
1)痛風発作の続いている方 鎮痛剤の継続投与を行います。状況によっては、入院治療を検討します。痛風発作が消失してから、尿酸コントロール剤を尿酸クリアランスの結果によって決定します。
2)痛風発作が消失しているか、症状のない高尿酸血症の方は、尿酸クリアランスの結果により治療方針を決定します。
多くの痛風患者さんでは、基本的に内服薬( クリアランス検査の結果により尿酸排泄障害型にはベンズブロマロン、ドチヌラドなど、尿酸産生過剰型にはアロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタットの服用が原則となります)で血液中の尿酸値をコントロールする必要があります。この他、尿量の確保(1日2リットル以上)のため十分な飲水や尿アルカリ化のため野菜や海藻などのアルカリ性食品の摂取や尿アルカリ化薬(ウラリットなど)の服用も必要です。
痛風発作が収まったからといって、治療を止めてしまうと、痛風発作を繰り返したり、心臓や腎臓、脳の重大な病気の原因になったりしますので、担当医の指示に従って治療をお続けください。また、薬の服用だけでなく、日常生活習慣の改善や食事療法も非常に重要です。
④栄養指導
③の外来受診時に栄養指導の予約をします。ご予約の日時に受診していただき、栄養指導を行います。 クリアランス検査の待ち時間を利用して栄養指導をお受けになることも出来ます。担当医までお申し出下さい。
この他、両国東口クリニックでは、定期的に痛風に関する健康教室や集団栄養指導も行っていますのでご参加いただければ幸いです。開催時には、別にご案内させていただきます。詳しくは、外来担当医か担当看護 師にお問い合わせください。
⑤外来通院
③の受診時に次回受診日を指定いたします。基本的には、半年間は4週間に1度の受診、痛風発作がなく症状や尿酸値が安定していれば8週間間隔の受診とします。内服治療の必要がなく、食事療法のみの方は、つき1度の受診で結構です。
⑥外来を受診される患者様へ
両国東口クリニックの外来は、月曜日から土曜日の午前 9時から午後1時、午後2時から5時、午後6時から8時です。受付時間は、 ご予約患者様以外は、診察終了時間の30分前までとなっています。出来るだけご予約の上受診して頂けますようお願い致します。
初診時にクリアランス検査をご希望される方は、電話(03-5638-6073)かメールにてお申し込み下さい。
痛風外来
- 痛風の治療と検査の流れ(PDF)痛風クリアランス検査 これでわかる!痛風教室 痛風の治療 注意しましょう! 痛風患者さんQ&A 痛風・高尿酸血症のあらましクイズ!これであなたも痛風通 痛風メーリングリスト 痛風医療相談アンケート結果 痛風医療相談の現状 痛風・高尿酸血症の献立表 痛風医療相談フォーム 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 食品のプリン体含有量 痛風なんて怖くない!-専門医の検査と治療-」 電子ブック 痛風発作が頻発するとき、どう治療する? 痛風治療のうそ?ホント! ビールはダメでも焼酎ならOK? 高尿酸血症・痛風治療のうそ?ホント! 痛風・高尿酸血症プレスセミナー 「おいしく食べて尿酸値を下げる」小冊子紹介 痛風外来問診表(PDF)