アロプリノール

アロプリノール allopurinol

アロシトール Alositol(田辺)
アロック Aloc(ヘキサル-科研)
ザイロリック Zyloric(グランソ-住友ウエルカム)
ザロベール Salobel(大日本)
錠:100mg

リボール Riball(三井)
錠:100mg 細粒:20%

アデノック,アロプリノール,アイデイト,アノプロリン,アプリノール,アリスメット,アロチーム,アンジーフ,アロプレックス,ケタンリフト,ケトブンA,タカナルミン,ノイファン,マサトン,ミニプラノール,モナーク,ユーリック,アロリン
1日200~300mg 分2~3

禁忌

本剤の成分に過敏症の既往歴

作用

ヒポキサンチン類似化合物,キサンチオンオキシダーゼに対して,ヒポキサンチン及びキサンチンと拮抗することによって尿酸の生合成を抑制し,血中尿酸値及び尿中尿酸値を低下させる。また,主代謝物であるオキシプリノールもキサンチンオキシダーゼ抑制作用を有する

適応

痛風,高尿酸血症を伴う高血圧症における高尿酸血症の是正

相互

(併用注意)

  1. メルカプトプリン,アザチオプリンの代謝を抑制し,骨髄抑制等の副作用を増強するとの報告→前記医薬品の用量を1/3~1/4に減量し 
  2. ビダラビンの代謝を抑制し,ビダラビンの作用を増強の報告 
  3. クマリン系抗凝血剤及びクロルプロバミドの半減期を延長→これらの減量あるいは投与間隔の延長等 
  4. キサンチン系薬剤(テオフィリン等)の血中濃度を上昇の報告→用量に注意 
  5. 鉄塩:動物で肝臓への鉄蓄積増加を示す報告→同時に投与しない 
  6. シクロホスファミド:骨髄抑制の報告→白血球減少等副作用に注意 
  7. シクロスポリン,フェニトインの血中濃度上昇→用量に注意 
  8. ベントスタチン:重症の過剰反応(過敏性血管炎)の報告 
  9. カブトプリル:過敏反応(Stevens-Johnson症候群,関節痛等)の報告 
  10. ヒドロクロロチアジド:重症過敏反応(悪寒,全身性の皮疹等)の報告 
  11. アンピシリン:発疹の現象が増加

慎重

注意

  1. 過敏症状(発熱,発疹等)が認められたとき→直ちに投与中止 
  2. 急性痛風発作おさまるまで投与を開始しない 
  3. 投与初期に尿酸移動により痛風発作の一時的増強(血中尿酸値を測定しながら投与し,治療初期1週間は1日100mg投与が望ましい) 
  4. 投与中に痛風が増悪→コルヒチン,ナブロキセン,インドメタシン等を併用 
  5. 使用中は摂水量を多くし,1日の尿量を2L以上とすることが望ましい

副作用

(重大) 

  1. 発熱,発疹に続き肝障害,腎機能異常等が認められ,さらにSteven-Johnson症候群等の重篤な発疹が出現→直ちに中止,再投与不可 
  2. Steven-Johnson症候群,Lyell症候群,剥奪性皮膚炎→中止 
  3. 発熱,悪寒,頻脈,皮疹,白血球増多,肝障害,腎機能異常等を伴う過敏性血管炎→中止 
  4. 再生不良性貧血,無顆粒球症,汎血球減少→中止 
  5. 慢性腎臓病,慢性腎臓病の増悪→中止 
  6. 間質性肺炎(発熱,咳?,呼吸困難等)→胸部X線等検査を実施,異常の時は中止して処置 

(その他)

  1. 過敏症(痩痒,関節痛,発疹)→中止 
  2. 血液(貧血、白血球現象、血小板減少,紫斑,好好_球増多,リンパ節症)→中止 
  3. 肝臓(肝障害、黄疸)→中止 
  4. 腎臓(腎機能異常)→中止 
  5. 消化器(口内炎、食欲不振、異部不快感、軟便、下痢等) 
  6. 全身症状(全身倦怠感,浮腫,脱力感) 
  7. その他(CPK上昇,味覚障害,女性化乳房,脱毛,末梢神経障害)
    『解説』 アロプリノール

使用目的

  1. 合成亢進型の痛風あるいは,適応となる高尿酸(UA)血症の治療
  2. 排泄促進薬の無効例,尿酸結石のある痛風患者,結節(tophus)を有する尿酸プールの多いと考えられる例,悪性腫瘍の化学療法等で広範な組織崩壊に伴う高尿酸血症,尿酸性腎症の例が良い適応

使用法

急性発作後の場合は,比較的大量のNSAIDsにて完全に発作を治療し,これを漸減しながら継続して1ヶ月以上安定状態を維持した後に,また,慢性安定期にある高尿酸血症の適応例では,1週間ほど眠前1錠のコルヒチンを開始した後に,それぞれアロプリノール100mg分2で併用開始する。その後,血中UA値を見ながら2週間ごとに漸増し,血中UA値4~6mg/dLを目標とする。常用量は100~300mg/日(分2~3)である。

発作後のNSAIDsの場合は,アロプリノール開始後も2~4週間少量を併用した後に中止する。コルヒチンは,1~2週間ほど併用した後に中止する。場合によっては排泄促進約と併用することもある(活性型代謝物であるオキシプリノールの排泄に影響しないベンズブロマロンがよい)。

生涯にわたる治療が必要であることを教育する。

 

副作用

一般的には副作用は少ない。急性発作の誘導,皮膚症状が最も多く,重篤なStevens-Johnson症候群,再生不良性貧血,劇症肝炎,血管炎がみられた場合は,即刻中止する。抗生 物質による皮疹が起こりやすくなる。


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