ベンズブロマロン(ユリノーム)服用中の皆様へ

ベンズブロマロン(ユリノーム)は、発売以来25年が経過し、現在年間推定30万人の患者さんが服用されている尿酸降下薬です。

2000年2月のベンズブロマロンによる劇症肝炎など重症肝機能障害の発症が報告され注意が喚起されています。これについては、 お薬ガイド(ユリノーム)の中でもご説明を差し上げた通りです。その後の5年間で劇症肝炎などによる6例の死亡例が報告され います。但し、この6例は因果関係が完全に否定出来ないケースであり全てがベンズブロマロンに起因したものとは断定されていません。

ベンズブロマロンによる肝機能障害の発症は、軽症例を含めて、0.2%程度でありこれは、他の生活習慣病などの治療薬と比較して高いものではなく、むしろ低いと考えます。更に劇症肝炎の発症率は、0.0066%と極めて稀なものです。

また、両国東口クリニックなどでの約20年間での多数の痛風、高尿酸血症患者様への処方においても重篤な肝障害や劇症肝炎の経験は皆無です。この点は、他の痛風を専門的に治療している医療機関でも同様です。

これらのことから、ベンズブロマロンは、尿酸クリアランス検査などで適応を正しく判断し、必要最小限の量を適切に服用し、なおかつ定期的に検査をお受けになっている患者さんでは、決して危険な薬ではなく、安全に血清尿酸値をコントロールできる尿酸降下薬であると考えています。
また、既にベンズブロマロン(ユリノーム)を長期にわたって服用され、今まで特に体調の変化が見られなかった患者さんは、今後も重篤な副作用が起こる可能性は極めて低いと考えられます。ご心配な場合は、主治医や薬剤師さんと良くご相談し、ご自身の判断で服用を中止してしまわないようお願い申し上げます。

一方、ベンズブロマロン(ユリノーム)は、肝臓に対して全く影響しない薬剤ではないため、今回の厚生労働省からの報告にあるように、一部に重症の肝機能障害を起こすことがあります。これはどの薬にも残念ながら起こりうることで、使用法を守り、症状(強い食欲不振、悪心・嘔吐、全身倦怠感、腹痛、下痢、発熱、尿濃染、眼球結膜黄染など)の観察や定期的検査を行えば、安全に服用を続けていただけると考えております。

私たちは、これらの報告を重要な警鐘として受け止め、さらに一層の注意を続ける気持ちですが、皆様におかれましても、服用量を守り定期的に検査を受けて頂きますようお願い致します。特に、痛風患者様にとって、ベンズブロマロン(ユリノーム)はなくてはならない薬ですので、服薬を 中断されることのないよう重ねてお願い致します。



【参考】 お薬ガイド(ユリノーム)ユリノーム緊急安全性情報

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