フェブリク

フェブリク Feburic

一般名 フェブキソスタット Febuxostat

フェブリク Feburic(帝人ファーマ)
錠 10mg、20mg、40mg

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

  1.  本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. メルカプトプリン水和物又はアザチオプリンを投与中の患者[「相互作用」の項参照]

効能又は効果

痛風、高尿酸血症

効能又は効果に関連する使用上の注意

  1. 本剤の適用にあたっては、最新の治療指針等を参考に、薬物治療が必要とされる患者を対象とすること。
  2. 女性患者における安全性及び有効性は確立していない。[使用経験が少ない。]

 

用法及び用量

通常、成人にはフェブキソスタットとして1日10mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回40mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回60mgとする。

用法及び用量に関連する使用上の注意

尿酸降下薬による治療初期には、血中尿酸値の急激な低下により痛風関節炎(痛風発作)が誘発されることがあるの で、本剤の投与は10mg1日1回から開始し、投与開始から2週間以降に20mg1日1回、投与開始から6週間以降に40mg1日1回投与とするなど、徐 々に増量すること(「臨床成績」の項参照)。なお、増量後は経過を十分に観察すること。

使用上の注意

慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)

  1. 重度の腎機能障害のある患者[使用経験が少なく安全性が確立していない。]
  2. 肝機能障害のある患者[使用経験が少なく安全性が確立していない。]

重要な基本的注意

  1. 本剤は尿酸降下薬であり、痛風関節炎(痛風発作)発現時に血中尿酸値を低下させると痛風関節炎(痛風発作)を増悪させるおそれがある ため、本剤投与前に痛風関節炎(痛風発作)が認められた場合は、症状がおさまるまで、本剤の投与を開始しないこと。また、本剤投与中に痛風関節炎(痛風発 作)が発現した場合には、本剤の用量を変更することなく投与を継続し、症状によりコルヒチン、非ステロイド性抗炎症剤、副腎皮質ステロイド等を併用するこ と。
  2. 本剤投与中は甲状腺関連の所見の有無を確認し、異常が認められた場合には甲状腺機能関連の検査を実施すること。

相互作用

併用禁忌
(併用しないこと)

薬剤名等  メルカプトプリン水和物 (ロイケリン)
アザチオプリン (イムラン、アザニン)
臨床症状・措置方法

骨髄抑制等の副作用を増強する可能性がある。

機序・危険因子

アザチオプリンの代謝物メルカプトプリンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼの阻害により、メルカプトプリンの血中濃度が上昇することがアロプリノール(類薬)で知られている。
本剤もキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある。

併用注意
(併用に注意すること)

薬剤名等 ビダラビン
臨床症状・措置方法

幻覚、振戦、神経障害等のビダラビンの副作用を増強する可能性がある。

機序・危険因子

ビダラビンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼの阻害により、ビダラビンの代謝を抑制し、作用を増強させることがアロプリノール(類薬)で知られている。本剤もキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある。

薬剤名等 ジダノシン
臨床症状・措置方法

ジダノシンの血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤と併用する場合は、ジダノシンの投与量に注意すること。

機序・危険因子

ジダノシンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼの阻害により、健康成人及びHIV患者においてジダノシンのCmax及びAUCが上昇することがアロプリノール(類薬)で知られている。本剤もキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある。

副作用

副作用等発現状況の概要
承認時までの安全性評価対象1,027例中228例(22.2%)に副作用(臨 床検査値の異常を含む)が認められた。内訳は、自他覚的副作用が80例(7.8%)、臨床検査値異常が81例(7.9%)、痛風関節炎は105例 (10.2%)であった。主な自他覚的副作用は関節痛12例(1.2%)、四肢不快感9例(0.9%)、四肢痛9例(0.9%)、下痢8例(0.8%)、 倦怠感5例(0.5%)等であった。副作用とされた臨床検査値の異常は、肝機能検査値異常36例(3.5%)、TSH増加9例(0.9%)、尿中β2ミク ログロブリン増加8例(0.8%)、CK(CPK)増加5例(0.5%)等であった。

重大な副作用

  1. 肝機能障害 
    (頻度不明) 
    AST(GOT)、ALT(GPT)等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
  2. 過敏症 
    (頻度不明) 
    全身性皮疹、発疹などの過敏症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

  1. 内分泌系 
    1%未満 
    TSH増加
  2. 神経系 
    頻度不明 注) 
    頭痛
  3. 神経系 
    1%未満 
    手足のしびれ感、浮動性めまい、傾眠
  4. 心臓 
    1%未満 
    心電図異常
  5. 胃腸 
    1%未満 
    下痢、腹部不快感、悪心、腹痛
  6. 肝・胆道系 
    1~5%未満 
    肝機能検査値異常〔ALT(GPT)増加、AST(GOT)増加、γ-GTP増加等〕
  7. 皮膚 
    頻度不明 注) 
    蕁麻疹
  8. 皮膚 
    1%未満 
    発疹、そう痒症
  9. 筋骨格系 
    1~5%未満 
    関節痛
  10. 筋骨格系 
    1%未満 
    四肢痛、四肢不快感、CK(CPK)増加
  11. 腎及び尿路 
    1%未満 
    β-NアセチルDグルコサミニダーゼ増加、尿中β2ミクログロブリン増加、血中クレアチニン増加、血中尿素増加
  12. その他 
    1%未満 
    倦怠感、口渇、血中トリグリセリド増加、CRP増加


その他の副作用の注意

以上の副作用が認められた場合には、症状に応じて減量、投与中止などの適切な処置を行うこと。
注) 国内の臨床試験では認められず、自発報告又は外国において認められている。

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