ユリノーム
ベンズブロマロン benzbromarone
ユリノーム Urinorm(鳥居)
錠:25・50mg
ガウトマロン,キランガ,トレビアノーム,ナーカリシン,ブロマノーム,ムイロジン,ベンズマロン,ラナウンス
〔痛風〕1日1回25又は50mg
維持量:1回50mg 1日1~3回
〔高尿酸血症を伴う高血圧症〕
1回50mg 1日1~3回
禁忌
- 肝障害のある患者(肝障害を悪化させることがある)
- 腎結石,高度の腎機能障害(尿中尿酸排泄量の増大により悪化,又効果が期待できないことがある)
- 本剤の成分に過敏症の既往歴 4)妊婦又は妊娠の可能性
作用
尿細管における尿酸の再吸収を阻害し,尿酸の尿中への排泄を選択的に促進する
特徴
半減期が長く,他剤との競合作用が少なく,軽度の腎障害にも用い得るので適応が広い
適応
痛風・高尿酸血症を伴う高血圧症における高尿酸血症の改善
相互
〈併用注意〉
- クマリン系抗凝血薬(ワルファリン)の作用増強→プロトロンビン時間を測定する等注意
- ピラジナミド;減弱(腎尿細管における尿酸の分泌を抑制するため)
- サリチル散製剤(アスピリン);減弱(腎尿細管における尿酸の分泌を抑制するため)
注意
- 投与開始前に肝機能検査を実施し、肝障害のないことを確認する
- 本剤投与にあたっては、肝機能の諸検査を行うことが望ましく、特に投与開始後少なくとも6ヶ月間は必ず、定期的な検査をおこなうこと
- 急性痛風発作がおさまるまで投与を開始しない
- 血中尿酸低下作用は著しく,投与初期に痛風発作を誘発することがある
- 尿が酸性の場合,患者に尿酸結石及びこれに由来する血尿,腎疝痛等の症状を起こしやすいので, これを防止するため,水分摂取による尿量の増加及び尿のアルカリ化を図る.なお,この場合には,患者の酸・塩基平衡に注意
副作用
〈重大〉
劇症肝炎(頻度不明,初期症状:発熱,黄疸,全身倦怠感等)→肝機能検査実施,異常で中止し処置
〈その他〉
- 過敏症(蕁麻疹,発疹,顔面発赤,紅斑,そう痒感,光線過敏症等)→中止
- 肝臓(GOT・GPT・Al-Pの上昇,黄疸)
- 消化器(胃痛,腹痛,胃部不快感,胃腸障害,胸やけ,悪心,下痢,軟便,口内の荒れ)
- その他(浮腫,心窩部不快感,頭痛等)
使用目的
- 慢性安定期の高尿酸(UA)血症・痛風の治療薬
- 排泄低下型の症例が適応である.
- 同様の薬剤として,プロベネシドとスルフィンピラゾンがあるが,ベンズブロマロンは他の薬剤との相互作用が少なく, 半減期が長いため1回投与ですむなどの利点があり,最も繁用されている.
使用法
まず,血中のUA値のみでなく尿中UA排泄量,UAクリアランス(CUA),UA排泄分画(FEUA)を指標として,その病態を把握する.1日UA総排泄量が500mg以下で,FEUAが8%以下なら良い適応と考えられる.
議論の分かれるところではあるが,無症候性高UA血症は原則として治療しないので,適応例では通常コルヒチンかNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の使用下で開始するのが好ましい.例えば,慢性期で安定した適応患者には,コルヒチン1錠を眠前に服用開始し,1週間くらい継続した後,まず25mg朝1回投与を併用する.コルヒチンはさらに1週間ほど併用した後中止するが,常備させ,前兆のあるときに頓用させる.
ベンズブロマロンは血清UA(4~6mg/dLを目標),尿中UA,FEUA(10%以上)を見ながら2週間ごとに漸増する.1日量50~150mg(分1~3)で目的を達せられることが多い.
急性発作例では,十分量のNSAIDsで完全に関節炎を鎮静し,4週ほどコントロールしてから,NSAIDs継続中に少量投与を開始し,同様に漸増する.尿中UA排泄が著明に上昇する場合や産生亢進型との混合型である場合は,アロプリノールとの併用も行われる.
生涯続けることが原則であることを十分説明する.
使用上の注意
痛風発作を誘導・増悪することがあるので,尿酸降下を目的とした単独使用,発作の初期での使用はしない.急性発作の治療はNSAIDs単独でスタートするべきで,使用中であるなら増量はしない.
尿中UAは増加するので,尿路結石を防止するため水分を十分に摂取し,尿量を2L以上にするよう指導する.必要に応じて尿のアルカリ化(pH6.0~6.5)も行われる.血中UAの低下とともに尿中排泄量も下がってくるので不要となることが多い.
尿路結石の既往のある患者,産生過剰型,中等度以上の腎機能低下がある場合は使用しない.
副作用
過敏症,肝障害,消化器症状,皮疹が認められることがあるが,比較的少なく使いやすい.UA結石が生じやすくなることがあります。服用に際しては、十分な水分補給と尿のアルカリ化に注意することが必要です。