慢性腎臓病(CKD)と人工透析

腎臓の働き

  1. 老廃物の排泄
    (BUN:尿素窒素、Cr:クレアチニン)   
  2. 水分量の調節
  3. 電解質バランス(Na、K、CI、P、Mg)
  4. 血液のpHを調整
  5. 血圧の調整(レニンというホルモン↑)
  6. VDの活性化
  7. エリスロポエチンの分泌
  8. 不要になったホルモンの不活化


腎臓の働きの8つを覚えてください。
1つ目が老廃物の排泄で慢性腎臓病では尿が出ないため毒素が排泄できず体にたまります。

2つ目が水分量の調節です。正常では尿の量や濃度によって体の水分量を調整しています。

3つ目は電解質バランスです。バランスが崩れるためNaの蓄積によってbp↑、むくみ、口渇が出現.Kの蓄積により手足のしびれ、胸の苦しさなどが出現します。
Pの上昇により関節痛,Mgの上昇により嘔気が出現します。

4つ目は慢性腎臓病になると血液が酸性に偏ります。

5つ目はレニンというホルモンが過剰に分泌され血圧が上昇します。

6つ目はVDの活性化ですがVDといってもコレはビタミンでなくホルモンですので町で売っているサプリメントとは違います。皮膚の下にあるプロビタミンに紫外線が当たり次に肝臓で代謝され次に腎臓で代謝されVDが働くようになります。そして、腸の中の食べ物よりCaを吸収します。

7つ目です。腎臓ではエリスロポエチンという血を作るためのホルモンを作っています。慢性腎臓病のためエリスロポエチンが作られないため貧血を起こします。腎性貧血と言います。これは10年前に作られ注射があるので透析後に患者さんの体に入れてあげればいいのです・その前は透析室のベットには輸血がぶら下がっていました。

8つ目です。インスリンは腎臓で壊されるのですが腎臓が悪いため壊れる時間がのびて血糖を長く下げてくれます。どういうことかというと糖尿病でインスリンを打っていた人が腎機能の悪化によりインスリンを打たなくて済むようになったとか、インスリン量が減るという変化が現れます。糖尿病の人は糖尿病が改善しているように勘違いをしますが腎機能の悪化に伴う 1つの現象にすぎません。

 


慢性腎臓病(CKD)と人工透析

医療コラム