糖尿病外来
当院で行っている糖尿病検査は?
随時血糖
食後からの時間を決めず血糖値を測る検査です。食事や飲酒、検査に時間によって常に変動があります。随時血糖値が200mg/dL以上ある場合は、「糖尿病型」と診断されます。
グリコヘモグロビン(HbA1c)
赤血球の中のヘモグロビンと、血液中のブドウ糖が結合したものです。ヘモグロビンの寿命は約4ヶ月。過去1~2ヶ月の血糖の平均的状態を知ることができます。境界型や軽症糖尿病ではHbA1cが基準値内におさまる場合がありますので、この場合は確定診断のためにブドウ糖負荷検査が必要となります。
基準値 4.7~6.2% (一般的な検査方法のHPLC法の場合)
血中インスリン活性(インスリン)
免疫活性インスリン(IRI)とも呼ばれます。ブドウ糖が細胞に取り込まれ、エネルギーを作るときに欠かせない重要なホルモンです。血液中の免疫活性インスリンの量やブドウ糖負荷試験の結果などとあわせると、β細胞のインスリン分泌能力や、インスリンがどの程度作用しているかを知ることができます。
基準値 空腹時…15.1μU/ml以下
坑GAD抗体
坑GAD抗体は、すい臓でのインスリン合成、すい臓のホルモン分泌に関連する自己抗体です。
糖尿病診断時に病型診断の為に重要です。また血糖コントロールが急激に悪化したときや自己免疫疾患(甲状腺疾患など)を合併した際などは特に測定する意義があります。
基準値 1.4(U/ml)未満
C-ペプチド(CPR)
インスリンが合成される前段階の物質(プロインスリン)が、分解されるときに発生する物質です。
インスリンの分泌能力は、血中インスリン活性でもできますが、インスリン治療を受けている人の場合、正しい測定ができません。この検査なら膵臓から分泌されているインスリンだけを測定できます。
基準値 血中C-ペプチド…1.2~2.0ng/ml 尿中C-ペプチド排泄量…24~97μg/日
尿中アセトン体(ケトン体)
糖分を、何らかの異常により体内で正しく消費できない時、肝臓で産生され、各組織へ送り出されます。組織の処理能力を超えてしまうとアセトン体が血液中にあふれ、尿中にもれ出てきます。このような方は尿や息が甘酸っぱいアセトン(ケトン)臭がでることもあります。糖尿病治療の効果が十分か否かを確認するためにも、この検査が重要になります。
尿検査結果の判定 陽性と出たら要注意の状態です。
尿中アルブミン
糖尿病性腎症の初期に尿中に出てくる非常に少ない量のアルブミンを検出する検査です。アルブミンはタンパク質の主な成分の中で、分子量が比較的小さいという特徴があります。そのため、腎臓のろ過機能が低下すると他のたんぱく質より早く尿中に出てきます。
糖尿病性腎症の早期発見につながります。
基準値 30.0 未満 mg/g・Cre
糖負荷検査(OGTT)
糖尿病の診断方法のひとつです。糖尿病が疑われる方に対し、一定量のブドウ糖が含まれた飲み物を飲み、一定時間経過後に検査を行い、糖代謝の経時的な変化をもとに、糖尿病かどうかを評価する検査です。
ただし、自覚症状などから明らかな高血糖が考えられる患者様に75gOGTTを行うと、さらに高血糖を引き起こすリスクがあるため、この検査は必ず診察を受けてから、必要と判断された場合に行います。
事前準備
検査前日午後9時頃までに夕食は済ませてください。
夕食の内容に制限はありませんが、通常の食事を心がけてください。
アルコールはとらないようにしましょう。
検査当日食事はとらずに、空腹の状態でお越しください。水分は水、お茶のみにします。
薬を飲んでいる方は事前にお知らせください。医師へ確認をします。
検査当日
1. 身長・体重を測定します。空腹時の採血・採尿をします。
2. ブドウ糖液75g(225ml)を飲みます。
3. ブドウ糖液を飲んだ時間から30分後、1時間後、2時間後の採血・採尿をします。
検査中の水分は水、お茶のみ可能です。全ての検査が終了するまでは、食事および喫煙はしないで下さい。
検査の流れ
検査結果が出るまで4日ほどかかります。
2時間後の血糖値が200mg/dL以上ある場合は、「糖尿病型」と診断されます。
動脈硬化検査とは?→血管の老化を判定します
血管は加齢とともに硬くなり、血液中の脂肪などが付着すると血管の内壁を厚くします。
これを「動脈硬化」といいます。血管が狭くなったり、栓ができたりして血液が流れにくくなると、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞 などをひき起こしやすくなります。特に肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病がある場合は、心筋梗塞が通常の何倍も高い確率で発症し
1.血管年齢の測定(PWV)
手と足の血圧の比較や脈波の伝わり方を調べることで、動脈硬化の程度を数値として表したものです。血管のしなやかさを評価し血管年齢であらわします。PWVが高くなるほど心臓や脳など重要な血管に障害が及ぶリスクは増大します。
2.頸動脈のプラークと厚さを測定2.頸動脈のプラークと厚さを測定
頸動脈エコーで血管の壁の厚さとプラーク(動脈硬化病変)を測定し、動脈硬化の程度を判定します。プラークが大きくなると頸動脈を狭窄したり、プラークの成分によっては破裂しやすいこともあります。これらが脳の血管でつまることで脳梗塞が起こります。 プラークや血栓を見つけたら早期に治療が必要です。