糖尿病外来
高血糖はなぜ良くない?
本来、身体にとって必要な栄養素である血糖ですが、必要以上に血管の中を流れ続けると、徐々に血管の壁を内側からこわしてしまうのです。体中の酸素や栄養を届けている重要なライフラインである血管がこわれてしまうと身体の組織は活動できなくなってしまいます。血液は全身をめぐっていますから、体中の組織へ同時に悪影響を与えます。 これが糖尿病の合併症となっていきます。
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なぜ恐ろしい?
怖いのは糖尿病の三大合併症です。
網膜症で突然目が見えなくなったり、腎症で腎機能が悪化して血液透析を受けることになったり、神経障害でしびれや痛み、筋肉の痙攣、インポテンツなどの症状が出たり、 足病変の漬瘍・壊疸が悪化し、切断しなければならないこともあります。また、動脈硬化が進行するため、心筋梗塞、脳梗塞、歯周病などを若い時期に起こしやすくなります。高齢になると、アルツハイマー型認知症および脳血管性認知症、ともに正常な人と比べると認知症のリスクは2~4倍となります。
治療は?
最も重要かつ優先すべきものは、何と言っても“食事療法”です。
次に運動、最後に薬物療法です。いくら良い薬が出ても、食事を守ることができなければ、その効果は半減しますし、長続きしません。 食事療法、運動療法が基本となります。それでも血糖が高い人は薬物療法を行います。薬物療法には経口薬物療法とインスリン注射があります。患者さんの状態に応じて治療法を選択します。主治医と相談しましょう。
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治療目標
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なぜ目標値は HbA1c 7.0未満なのでしょうか?
HbA1cを低く保てば、眼や腎臓の合併症の進行を抑えられることができるのです。例えば、腎臓の合併症はHbA1c7.0を超えると急速に進行率が上昇します。よって進行を阻止するためには、HbA1c7.0未満にすることが大切なのです。