糖尿病外来

インスリン治療とは

インスリン注射と聞いただけで、“怖い、嫌だ”と拒絶される方がほとんどです。ですが、現在は進歩して簡単に  また安全に注射する事ができます。早めにインスリン治療を行うと、疲れたすい臓を一時的に休ませることができ、次第に機能が回復します。すい臓が十分回復したら、インスリン治療を中止することができる可能性もあります。インスリンの分泌は、食事で血糖値が上がったことに反応して一時的に分泌される「追加分泌」と、一日中一定の割合で少しずつ分泌される「基礎分泌」の2つがあります。
インスリン治療では、これらのインスリン分泌のうち不足している分をインスリン注射で補います。

最新の治療 BOT(Basal Supported Oral Therapy)

経口血糖降下剤と基礎インスリンとの併用療法

2型糖尿病の方で、多くの薬を最大限飲んでいるのに血糖が下がらず、HbA1cも目標値にほど遠い人に対し、お薬と併用して基礎インスリンを1日1回(2回のこともあります)注射する治療です。一日中効いているため、どの時間の血糖も一定に下げてくれます。これにより高血糖の時間が少なくなり、高血糖による膵臓への糖毒性(とうどくせい)※が軽減され、インスリンの分泌機能も回復し血糖コントロールが改善されます。以前は、経口剤で効果ない場合はインスリンの複数回の注射でしたが、1日朝1回の注射であれば仕事が忙しい人にも可能です。
また低血糖の可能性が低く、多くの人が安心してインスリン注射の治療を受けることができるようになりました。2型糖尿病で思うように治療が進まない方は、血糖が低下し良好な血糖コントロールが期待できます。
※血糖値が高いこと自体がインスリンの分泌を低下させたり、インスリンの働きが悪くなるインスリン抵抗性を起こすこと。

インスリン注射の種類

インスリン注射は効果発現の速さから超速効型、速効型、中間型、持効型、混合型製剤に分類されます。

超速効型

(注意:食事の直前に注射しましょう)  ノボラピッド、ヒューマログ、アピドラ 等
作用発現時間‥10~20分
最大作用時間‥1~3時間
作用持続時間‥3~5時間

速効型

(注意:食事の20~30分前に注射しましょう)  ノボリンR、ヒューマリンR 等
作用発現時間‥約30分
最大作用時間‥1~3時間
作用持続時間‥約8時間

混合型

(A)ノボリン30R、ヒューマリン3/7 等(30R、3/7は、速効型30%、中間型70%。10Rから50Rまでの混合比の異なる種類がある。(注意:食事の20~30分前に注射しましょう)
作用発現時間‥約30分
最大作用時間‥2~8時間
作用持続時間‥約24時間
(B) ノボラピッド30ミックス(ノボラピッド50ミックス、70ミックス、ヒューマログミックス25注、50注
(超速攻型と中間型の混合比の異なる種類がある)(注意:食事の直前に注射しましょう)。
作用発現時間‥10~20分
最大作用時間‥1~4時間
作用持続時間‥約24時間

中間型  

ノボリンN、ヒューマリンN、ヒューマログN 等
作用発現時間‥約1.5時間
最大作用時間‥4~12時間
作用持続時間‥約24時間

持効型

より平坦に長時間作用が続き、長時間作用するなかで、日々のばらつきがより少なく、低血糖の発現リスクが低いことが特徴 

トレシーバ
作用発現時間‥ ・
最大作用時間‥明らかなピークなし
作用持続時間‥42時間超
ランタス
作用発現時間‥1~2時間
最大作用時間‥明らかなピークなし
作用持続時間‥約24時間
レベミル
作用発現時間‥約1時間
最大作用時間‥3?14時間
作用持続時間‥約24時間

使用しているインスリンの特性を十分理解して使用しましょう。
血糖のピークとインスリンの最大作用時間に著しい差が生じると、低血糖を生じやすくなります。
また、運動や注射部位の違いで思ってもみない時間に低血糖を起こすこともありますので注意しましょう。

薬物療法中に気をつけること

低血糖:インスリン療法や経口血糖降下薬使用中の患者に起こる可能性があります。発汗、不安、動悸、頻脈、生あくび、目のかすみ等の症状がおこります。低血糖と感じたら、我慢せず、すぐにブドウ糖やブドウ糖を含むジュース等を服用しましょう。血糖を測定できれば測りましょう。症状が改善しても早めに主治医に相談してください。
※注意:高血糖の人が急激な血糖の低下を起こした場合、血糖値が70以上あっても低血糖症状が起こります。車を運転する時には、低血糖症状を感じたらすぐに車を止めてブドウ糖を摂取しましょう。事故を起こす危険性があります。激しいスポーツの途中、時間が経っていても突然低血糖を起こすことがありますので注意が必要です。

Sick day(シックデイ):糖尿病治療中に発熱、下痢、嘔吐などで食事が取れなくなった時をSick day(シックデイ)と呼びます。このような時は、十分水分を摂取し、消化の良いおかゆやジュース、アイスクリームなどを取るようします。突然インスリン注射を中止せず、血糖を測定し、病状の把握をしましょう。放置すると、著しい高血糖になったり、ケトアシドーシスという代謝異常が生じて昏睡に陥ることもあります。早期に主治医に相談しましょう。

糖尿病性昏睡(とうにょうびょうせいこんすい):著しい高血糖により倦怠感や胃腸症状などの前駆症状のあとに、意識障害、昏睡状態となります。至急主治医に相談して入院治療が必要です。

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