当院における個別糖尿病指導

症例 1

A氏 男性
透析導入歴 1年6ヶ月 
糖尿病歴 約30年前口渇強く、近医受診し糖尿病と診断される。その後は定期受診し薬物療法行っていたが、糖尿病に関しての指導は受けていなかった。
糖尿病治療 内服、インシュリンなし。眼底出血ありレーザー治療施行。
  HbA1c:5.5~5.8(%) BS:61~241(mg/dl)
指導前 ・指導前のチェックリストの点数は低かったが、指導に対しては意欲的
指導中 ・透析前の空いている時間を使って指導を行った。
一生懸命覚えようとするが、なかなか覚えられず、繰り返し指導を行った。
・視力が低い事もあり、パネルのパンフレットを使用した。
・期間中、妻にも指導して欲しいと希望あり、非透析日に本人、妻とで指導をうけた。
指導後 ・まだ指導が必要であるが、血糖値、HbA1cなど答えられるようになった。

症例 2

F氏 女性
透析導入歴 1年11ヶ月
糖尿病歴 21年前糖尿病指摘され外来通院。ベイスン内服、食事療法行っていた。約2年前脳梗塞、糖尿病性壊疽にて入院。
糖尿病治療 現在イノレットN24単位 朝 施行
  HbA1c:6.5~8.2(%) BS:120~230(mg/dl)
指導前 ・空腹時血糖、低血糖症状、インスリンの皮下注部位以外は知識なし。
指導中 ・透析後の食事中に何度か指導を行なった。
・次女より「以前に比べ本人の調子は少し良くなってきているし、年齢の事もあって厳しい食事制限などは避けたい」と希望あり、次女と相談し、以前壊疽を起こしたことがある為、フットケアを中心に指導を行った。本人もフットケアに対して興味あり。
指導後 ・毎日足の観察を行うようになった。

症例 3

B氏 男性
透析導入歴 7ヶ月
糖尿病歴 20年前に糖尿病と診断されるも放置。
糖尿病治療 内服、インシュリンなし
  HbA1c:4.3~5.6(%) BS:154~217(mg/dl)
指導前 ・三大合併症以外は知識なし。20年間放置した事に対しても無関心。
指導中 ・最初は説明を聞くが後半になると集中力が低下する為、パンフレットだけでの指導は難しく、指導ビデオを併用した。
・時間をかけて指導する為、透析後別室にて指導を行った。
・どうしても指導を受けたくない日は患者の気持ちを優先し、その日は指導を見送った。
指導後 ・今後も指導は必要であるが、HbA1cや食事に関する質問に答えられるようになってきている。

 

 

当院における個別糖尿病指導

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